コラム

2016-01-26
凶悪な犯罪=情状酌量の余地ナシ?

テレビを見ていると、「凶悪な犯罪なので情状酌量の余地がない」という趣旨の発言を聞くことがあります。

本当にそうなのでしょうか?

 

「情状酌量」とは、刑事裁判などで用いられる言葉です。

裁判官が、被告人が有罪の場合に、様々な事情を考慮した上でどのような刑罰を科すか(量刑)を判断することを言います。

 

このとき、裁判官が考慮する事情は、犯行の計画性、凶悪さ、被害の程度など、犯罪それ自体に関する事情(犯情)のみではありません。

例えば、被害者に被害弁償をしたこと、被告人自身が反省をしたこと、家族が支えてくれることなど、犯情以外の事情も考慮されます。

これらを一般情状といいますが、一般情状が量刑に大きく影響する事件は決して少なくありません。

 

したがって、犯罪が凶悪というだけで情状酌量の余地がないと判断することはできないのです。

 

なお、犯罪事実に争いのない刑事事件では、被告人にとって有利な事情を調査して、主張することが重要となります。

万一ご自身や家族などが逮捕されたりした場合は、犯罪を犯したことそれ自体を認めていたとしても是非一度弁護士にご相談いただければと思います。

 

弁護士 小仲 真介

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