コラム

2015-03-31
夫婦円満調停

1年の内もっとも離婚率の高い月は3月です。子供が卒業して手を離れることで、それまで我慢していた妻、もしくは夫が決意を固めやすくなるようです。相手も同じ気持ちなら問題はないのですが、もし離婚したくないと考えていた場合、高橋ジョージ、三船美佳夫妻のように離婚調停、離婚裁判で決着をつけることになります。

 

では、離婚をしたくない高橋ジョージ側で何かやれることはないのでしょうか。一般に「離婚調停」といわれているのは「夫婦関係調整調停」の内、離婚に向けて話合いをするものです。夫婦の関係を調整する調停にはもうひとつ「円満調停」というものがあります。夫婦が円満な関係に戻れるよう調整するための調停です。そして、円満調停には、家を飛び出してしまった夫に家に戻るよう求める「同居調停」というのもあります。愛が冷めてしまった夫婦を再び元の関係に戻すことは難しく、円満調停がうまくいくことは少ないのが現実です。でも、面と向かっては言えなかった感謝の気持ちや謝罪の気持ちを、裁判所という第三者を介することで素直に伝えることができたり、相手のよさが見えたりすることもあります。円満調停で互いのいいところを再確認した上で、円満に離婚する、というケースも見られます。

 

3組に1組が離婚する時代、などと言われ、容易に離婚ができるようになったかのように聞こえますが、やはり、夫婦関係を解消するということはものすごいパワーと決意が必要なものです。うまくいかない夫婦関係から抜け出す方法は離婚だけではない、ということも知っておいて損はないと思います。

 

弁護士 明司絵美

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