1 概要
養育費の調停等により、養育費の金額が定められた場合においても、養育費の未払い等が発生するケースも少なくはありません。
その場合、養育費権利者としては、義務者の財産(預金口座や給与)への強制執行(差押え)を検討することになりますが、そのためには、権利者において義務者の財産を特定する必要があります。
2 義務者財産の特定
権利者において、義務者の取引銀行や勤務先等を把握していないケースも散見されます。
仮に、取引銀行を把握していても、当該預金口座の残高が0円であれば、差押えをすることはできません。
従前は、権利者において、義務者の財産を特定をするための十分な手続は容易されてはいませんでした。
そこで、昨今の法改正により、財産開示手続の実効性確保や、第三者から義務者の財産情報等を知る為の規定が新設されました。
3 更なる改正
上記の通り、養育費の支払いがされない場合、権利者としては、①財産開示、②第三者からの情報取得、③義務者の預金口座に対する差押え(又は給与差押え)等といった手続きを実践する必要があります。
もっとも、今般の法改正により、上記①や②の手続を行った場合、自動的に③の手続に移行するようになりました。
養育費は子供の成長のためのお金でもあります。
その為、今後も、養育費の履行確保を確実にするための法改正は続くものと予想されます。
弁護士 久岡秀行
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