令和6年5月に、共同親権に関する法律が成立しました(施行はまだです。)
現行法上、離婚に際しては、父親もしくは母親のどちらかを定めなければ離婚ができない、単独親権となっています。ちなみに、日本における離婚後の親権獲得率は、母親が約86%です。単独親権の場合、親権が定まらないため離婚ができない、非親権者側の面会交流権が害されることが多い、などいろいろな問題がありました。
そこで、これらの弊害を回避するために導入されようとしているのが共同親権です。
共同親権とは、離婚後も、父親と母親が共同して親権を行使することをいいます。導入により、育児の分担ができる、親権争いが可否できる、面会交流がしやすくなる、父親も親権を持つことができる、など有益な面は多々あります。ただ、反面、両親の関係が良好ではない場合には、二重生活で子供の心身に負担がかかったり、教育方針でもめる、引っ越しが制限される、モラハラ・DVから逃げられないなどの問題も生じ得ます。
共同親権が主流であるアメリカなどと日本は、国民性も異なり、離婚後の夫婦の関係、子供を取り巻く環境も大きく違います。共同親権を選択する場合には慎重に検討する必要があると考えます。
弁護士 明司絵美
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