最近、振込詐欺関係の相談が増えています。オレオレ詐欺、還付金詐欺、投資詐欺。全て、電話やSNSで接触し、美味しい話しをして気を引き、その後は慌てさせるような状況を作ってお金を振り込ませるというのが手口です。
振込詐欺にあったかも、と思ったら、すぐに警察に連絡してください。「どうせお金は戻ってこないから急いで通報してもしょうがない。」とは絶対に思わないでください。警察は詐欺だと判断したら、ただちに振込先の口座を凍結する手続きをとります。うまくいけば、まだ犯人らがお金を引き出す前に凍結できるかもしれません。
凍結前に既にお金が引き出されていても、それで諦めないでください。まずは振込先の銀行に、「振り込め詐欺等不正請求口座情報提供及び要請書」というのを提出します。その後、一定期間待ち、もし、期間経過時に残高があるようであれば分配を受けられる可能性があります。
振込先の口座には残高がなく、そこから分配を受けることができなくても、口座名義人に対し、口座を貸すことで犯人に協力したことを理由に、損害賠償請求をすることができます。
口座に関する情報しかなくても、裁判所や弁護士会の照会で口座名義人の住所を特定し、請求することが可能です。
犯人がみつからなければお金は戻ってこない、ではなく、このように他の手段で少しでも取り戻せる可能性はあります。詐欺にあってしまったかも、と思ったら、すぐに警察や弁護士に相談してください。
弁護士 明司絵美
Copyright © ZEN法律事務所 All right reserved.