令和4年の民法改正で、嫡出否認制度に関する規定が見直されました。
民法上、女性が婚姻中に懐胎した子や、婚姻成立から200日を経過した後に生まれた子、離婚後300日以内に生まれた子は、夫の子と推定されています(民法772条)。
このように夫の子であると推定された場合、これを否定しようとすると訴え(嫡出否認の訴え)を提起しなければなりません(民法775条)。
しかし、改正前の民法では、かかる訴えを提起できるのは、夫のみとされており(民法774条)、子や母がかかる訴えを提起することはできませんでした。
もっとも、今回の民法改正で同規定が見直され、上記訴えを子や母も提起することができることとされました(改正後民法774条)。
かかる規定は、令和6年4月1日以後に生まれる子に対して適用されますが、同日以前に生まれた子についても、子や母に限り、令和6年4月1日から1年間、嫡出否認の訴えを提起することができることとなりました。
あくまで、令和6年4月1日から1年間に限っての話ですので、令和6年4月1日以前に生まれた子で、これまで嫡出否認の訴えをしようにもできなかった人はかかる期間を逃さないよう注意してください。
弁護士 壽 和哉
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