普段可愛がっているペットが、思いがけないトラブルを起こすことがあります。
例えば、自宅で放し飼いにしていた犬が逃げ出し、通行人に噛みついて怪我をさせてしまった場合、飼い主はどのような責任を負うのでしょうか。
民法上、動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害について、相当の注意をもって管理したことを証明しない限り、賠償責任を負うとされています(718条)。そして、飼い主である家族のうち誰が責任を負うかが問題となったケースでは、事故当時自宅にいた妻だけでなく、不在であった夫や子どもも責任を負うとした裁判例があります(名古屋地方裁判所平成14年9月11日判決)。
また、損害賠償に加えて、飼い主が重過失致死傷罪(5年以下の懲役または禁錮若しくは100万円以下の罰金)に問われることもありますので、特にドーベルマンなどの大型犬を飼っている場合、その管理には十分気をつける必要があるでしょう。
弁護士 船倉 亮慈
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